はい。4回目の参加になります。
「短歌の目」に参加していると、自分が気に留めていなかった季節をも感じることができていろいろと考えさせられます。
参加者の皆さんの歌も毎回楽しみにしています。
今回もよろしくご覧ください。
1.青
のんと立つ白のプロペラ 空海の青にもそまず風にただよふ
(白鳥は哀しからずや空の青海のあをにもそまずただよふ)*1
2.梅
押し入れに埋もれしロストテクノロジー 在る者で飲むばばあの梅酒
3.傘
ビニールの傘はクラゲに擬態して ――“東京砂漠に雨季がきました”
4.曲がり角
「この先をずっとまっすぐ行けばいい、曲がり角などない」って言った
5.しそ
会ってから二ヶ月経って一目惚れ 学生服を脱ぎしその日に
6.紫陽花
六月の澱みを吸って、液体と固体の狭間にじむ 紫陽花
7.つばめ
左手を白く飾った雛に添え花道を行く つばめの尾揺れ
8.袖
前世ではどんな因果があるものか 袖の振り合いどころではない
9. 筍
筍のまた一枚と剥いでゆきさらす姫皮 柔らかく美味
10.たらちねの【枕詞】
「垂乳根の母」はこの身にまだ遠く 右の乳首を齧られて泣く