むだいのぼやき

2015年7月19日 朝のうちくもり のち晴れて気持ちのよい天気

2015年7月20日 朝のうち雨 のちくもり 蒸し暑い一日

「わたしアカゴって嫌よ」

陽射しの入る朝のリビングで、麦茶を片手に彼女が何やらつぶやいている。

「あいつら急に泣き出すし、よだれまみれの手で近づいてくるし、人のことジロジロ見るし。その点オトナはわかってるよね、急に叫んだりしないでしょ。あとコドモも好きよ、わたしのこと可愛がってくれるもの」

あんたもそう思うでしょ、と急に話を振られたから、思わず段ボールから顔を出す。

「ぼくはアカゴもコドモも苦手です。可愛がるなんていうけど、騒がしいのは同じでしょ。静かにして放っといてほしいんですけど」

きみもそこに含まれてるんですぞ、とは声に出さずに、ぼくはまた段ボールに身を沈めた。もっとも、もう家族だからそんな無体なことは言わないけど。だからその納豆まみれの手を、早く引っ込めてくれ。お願いだからその手でぼくの背中をむんずと掴んだり、しないでくださいよ。

静寂の陽だまりは、7ヶ月前にとうに諦めている。