エアコン日記

2015年8月10日 晴れ 今日も朝から暑かった

今日も朝から暑かった。思ったときにはもうエアコンのスイッチを押していて、だから今日がどのくらい暑かったかはよくわからない。とにかく暑かった。部屋から部屋へ、自宅からスーパーへ銀行へ、雨やどりをするみたいにエアコンの涼を求めて移動した。
そんな昼間の空気が、そのまま夜になった。近くの川沿いの土手が挙って家の周りに押し掛けてきているような、草の匂いと湿気が充満している。少しは涼しくなるかと家中の窓を開けているから、エアコンを効かせたリビングを一歩出ると、そこらじゅうが土手である。夏の夜の雰囲気としては大層イイカンジ、だけどこのままでは、寝苦しい夜になりそうだ。
そう、我が家の寝室にはエアコンがなかった。毎晩扇風機をフル稼働して眠る。暑くて眠れない夜も、疲れが残って起きられない朝もあった。ああ、エアコンがあればいいのに!そこで先々週、エアコンを買いに行った。売場は賑やかで、エアコン、扇風機、冷風機、などがざっと並び、ラジカセからは蝉の声が流れ、冷風の吹き出し口にはスズランテープがなびき、風を当てられた風鈴が休むことなく鳴っていた。

風鈴や エアコン売場に就職し養殖の涼を鬻ぐこの夏
「短歌の目」8月 投稿します - 乳飲子を小脇に抱えて

盛夏の涼を演出するために生まれ出た風鈴も、まさか人工の涼を演出させられるとは思わなかったに違いない。しかも直風をガンガンに浴びて、稼働しっぱなしである。風流なんていうものではなく、ただただうるさいBGMと成り果てていた。なにもかも偽りの、エアコン売場。
そんな電器屋で買った先々週のエアコンが、今日、ついに取り付けられた。取付工事は二週間待ちで、それだけ待てばもう必要ないかもとチラと思ったりもしたが、この暑さではやっぱり必要だった。今日届いて本当に良かった。土手の草むらに包まれて眠るのとは比べものにならないくらいの快眠を得られると思う。それが偽りだっていいのだ。風邪だけひかないようにしよう。