やっとやっと第0回企画に追いついた。
わたしの参加は第1回からだったので、この第0回企画にもいつかは投稿したいとずっと思っていたのだった。
12月に短歌の目第一期が終了してからももやもやと短歌のことを考え続けて早2ヶ月、一年前の2月に行われたこの企画はやはり2月中に投稿できるようにがんばろーと思って詠みました。
よろしくご覧ください。
1.白
明日ここに工場が建つこの種をはらに残して白鳥よ翔べ
2.チョコ
誰とでもうまく付き合う奴だった チョコの天麩羅 チョコの漬物
3.雪
ためらいのラジオ電波を記憶してトンネル出口でまって綿雪
4.あなた
あなたって寝た子も起こすピアニシモ 八分ちょっと前のささやき
5.板
偉大なる樹を切り刻み幾万のかまぼこ板にしてやったわけ
6.瓜
遮断機が降りるしぐさで瓜を割りそれぞれになる それぞれにゆく
7.外
8.夜
真夜中に右脚ばかり洗いをり排水溝に人魚姫ども
9.おでん
おにぎりのフットワークに憧れるおでん 昨日のおでん おいしい
10.卒業
安眠は卒業しろと宣いて夢に割り込む十徳ナイフ
短歌の目に毎月参加するうちに、「いま見えるもの」に心を動かされたら詠みこもう、という思考が身につき、だから自分の短歌を辿っていくとその時々の日記代わりになっていたりして面白い。あと短歌の目は締め切りがあって、どうしたって10日以内で詠まないといけないから頭の回転が速くなる、気がする。今回は2月の頭から考え始めたのに、結局まる1ヶ月かかってしまった。間に合ってよかった。