タイトル無題

スマホを取り出して、0120、109、109、っと…

 

「はい、テングホットラインです」

 

もしもし、うちの子歯みがきしなくて困ってるんです、テングひとつお願いします。

 

「承りました。すぐに派遣いたします」

 

ガチャ。スマホを置く。ほらぁ、ちゃんと歯みがきしないからテングさん呼んじゃったよぉ。すると娘は慌てて椅子に座り直し、神妙な顔で歯ブラシをくわえた。ふむ、ここで再びスマホを取り出し、0120、109、109、…

 

「はい、テングホットライン」

 

もしもし、先ほどのテング、キャンセルでお願いします。ええ、すみません…

 

「キャンセルを承りました。またのご利用をお待ちしております」

 

ちゃんと歯みがきしてえらいねぇ、テングさんはキャンセルしたからね。すると娘はにやりと笑って、歯ブラシを放って走り出した。テングホットラインはキャンセルを繰り返すとブラックリスト入りしてしまうので、ここからは自分でなんとかするしかない。