短歌の目8月 投稿します

夏のあいだじゅう材料を集めたつもりだったのに、組み立てる頃には秋になってしまった現象。毎月ギリギリの投稿です。今月もよろしくご覧ください。

 

 

 

 

1. 流
この夏のどこかに流れるはずだった水はしぼんだヨーヨーのなか

 

2. 囃
三十五度八分の體温計のアラーム 祭囃子の笛の甲音

 

3. フラット
明石よりみっつフラット 農協の時計は軽油を喰っておごそか


4. 西瓜
夏の子らすぐかわくのであたらしいあたしらしい西瓜ほしいか


5. こめかみ
氷ばかり噛みくだくきみのこめかみに浮いた花びらしまっておいて

 

テーマ詠「怪談短歌」

まだなにも知らない街にも祭りがあり誰かがおどる盆踊りがある

 

今はまだ遠巻きにして見る阿呆 身体揺らして息子の無邪気

 

この街のこの輪の中に入れたらすこしは好きになれるだろうか

 

気がつけば輪の中にいる息子 その踊りはなんだ おまえはだれだ