小噺をひとつ

2019年8月21日(水)晴れ

盆を過ぎた頃から日が落ちるのがめっきり早くなったでしょう、最近じゃちょっと残業すると帰る頃にはもう真ッ暗。こんなときに秋の訪れを感じます。

さあ、暗くなった帰り道、田んぼ道を運転していると向こうから人がやってくる。ジョギングしてるんですね。ああ、涼しくなったなあ、ジョギングも気持ちよさそうだなあ、そんなこと思いながらすれ違う。もちろん彼と接触しないようにスピードを落とすんですけど、道は広いし彼のことよく見えてるからまあ安全なんですね。しばらくすると次のランナーがやってくる、そのうしろからウォーキングの女性も歩いてくる……。そこでわたし、アレ、と思いました。あとからすれ違った彼ら彼女ら、もちろん反射板をつけてたから気づくことはできたんですけど、そうじゃなかったらあたりの暗さにすっかり馴染んで気づかなかったかもしれない。でも、じゃあ、最初にすれ違った彼はなんだか明るすぎじゃなかったか。思い返せば彼は反射板のようなものは一切身につけていなかった、それなのに遠くからでもわかるくらい明るくて、だから避けて走ることができたんですね。そのときにチラッと見た彼の顔、そういえばなんだか目が光っていた気が…。それに彼自身もこう、発光するように光っていた気が……。

そこまで思い出したらサーッと涼しくなって、これ秋のせいですかね、それで急いで車通りの多い交差点に向かったんで。この話はこれで仕舞いです。