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コップ、プラスチックの、緑色の、

日記

2016年3月11日 雪 この日はいつも雪が降る

先輩の息子は小学生でクラスの人気者でいて、学校から帰ってくると今日はどんな活躍をしたかいかに面白いことをして笑いをとったか毎日報告してくるんだと喋る先輩も職場の人気者だった。クラスに必ず一人はいた人気者の男の子、が出来上がるまでの仕組みを今になって理解している。
女子小学生はませているといえどもわたしはぼやっとしているほうで、熱心に好きになる男の子というのはなかなかみつけられなかった。それでもなんとなく、クラスで人気者の成澤くんが好きかな~面白いし、などという一般的女子の嗜みはあって、ただし熱心に想いを寄せていたわけではない。わたしはぼやっとしていたから用もないのに声をかけられるはずもなかった。
学校では給食の後にぶくぶくうがいの時間が設けられていて、各々がうがいコップを持ち込み、普段は教室の後ろの棚にしまってある。わたしのコップはけろけろけろっぴで、彼のコップはみんなのたあ坊だった。ある日の昼休み、彼のうがいコップとわたしのうがいコップが綺麗にスタッキングできることに誰かが気づいて、それを気に入った彼はしばらくの間それで遊ぶようになった。今となればいかにも小学生らしいくだらなさ、しかしわたしはそれが嬉しくて、意識して声をかけたのはそのときが最初で最後だったかもしれない。しばらくすると彼はその遊びに飽きた。
先日実家の洗面所にけろけろけろっぴのコップを見つけ、中を覗いてみたら母親の入れ歯が沈んでいたのでわたしの気分もいくらか沈んだ。