メタルのおっさん

2016年2月12日(日) くもり ずっと家にいたと思わせるようなくもりだった 拝啓 メタルのおっさん。おっさんは今年の仕事始めに顔を合わせたとき、「今年はメタル元年にしようね」といってにっこり笑った。わたしは、はい、ぜひ!と笑顔で返した、つもりだけ…

二歳女児に『魔女の宅急便』をみせるべきたった〇つの理由

2017年2月5日(日) 晴れのちくもり 春のような日差しの中でも田んぼの氷は融けないのでした 二歳女児に『魔女の宅急便』をみせるべきたった〇つの理由:「ラジオ」我が家にはラジオがない、ラジオを聴く文化もない。そもそもあまりラジオを聴いて生きてこなか…

短歌の目一月 投稿します

主催者の卯野さんには毎月締切ギリギリでお世話になっております。今月はなんと締切を過ぎてしまいましたが!ひとつよろしくお願いいたします… よろしくご覧ください。 1. 編ついさっきひとつのパイのおはなしが終わりましたまたパイを編む 2. かがみ(鏡、…

続・タイトル無題

職員だと思っていたおっさんは受付を終えるとおもむろに袈裟を着て、5分くらいの小さいお経をあげますね、といった。いい声だったので多分本職で、副業で斎場の受付をしてるんだろう。和尚兼受付兼作業員。この斎場はおっさん一人で成り立っている。お経は出…

タイトル無題

実家のウサギが月に帰ったんだってさっき妹から連絡がきて、泣いた泣いた泣きました。そもそもは昼に母から第一報、給湯室で涙をやり過ごし、思い出されるウサギとの日々。でも彼女はわたしが実家を出てから飼われたウサギだから、実際目にしたエピソードと…

ウチの子が大変だったんです

2017年1月9日(月) 雨 新春祈祷にいく ウチの子が大変だったんです。 順番待ちで並んでいたところであっちに行きたいと駄々をこねたので、わたしは右手でウチの子の左手をギュッと繋いだんです。ウチの子が手を振りほどこうとした時にわたしの右手にはポキ…

短歌の目12月 投稿します

間に合ってよかった、これで年が越せるってな感じです。よろしくご覧ください。 1. おでん年末をウィークエンドと言わしめておでん おまえと年を越すのか 2. 自由左から時計回りにやってきた自由なあの子がくれたラの音 3. 忘冬型の気圧配置の匂いなら忘れな…

クリスマスした

2016年12月24日(土) くもりときどき雪 これ以上寒くならないでほしい気持ち ノルマ達成した?と訊ねると、友人はとびきりの笑顔で「ウチだけで900本売った」と言った。さすがだねー、アンタから買いたいっていう人はいっぱいいるんじゃない?わたしがその一…

一歌談欒 vol.3 参加します

こちらの企画に参加します。 よろしくご覧ください。 一歌談欒Vol.3 - 人生ぬるま湯主義 この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい(笹井宏之) 静かなところで暮らしたいと思った。「都会の喧騒から離れて」なんていうほど都会でもないこ…

短歌の目11月 投稿します

今月もよろしくご覧ください。 1. 本路地という路地には本初子午線の呪いが満ちて今日を仕上げる 2. 手袋小岩井の羊 六花を食むごとに偶蹄類の手袋を編む 3. みぞれ半分は東京行きの雪になり もう半分にみぞれ降る朝 4. 狐(きつね、キツネも可)狐火は電信…

せんべい工場

2016年11月26日(土) 晴れ 河の風はつめたい 焼成前のせんべいの重みはいったいどれほどだというのか。その目盛りが10.00になるとそれまでコインゲームの要領で白糸の滝のように落ちていたせんべいは堰き止められ、せんべいを受け止めていた段ボール箱はロー…

日記

2016年11月22日 くもりときどき晴れときどき雨 タイヤ交換した 娘が夜寝る前におやすみを言う相手が増えたので、最近寝室に入るのに時間がかかるようになった。父親とネコとぬいぐるみ、それに加えて絵本数冊、ボール、牛乳ビン、ベビーカー、など。寝る前の…

一歌談樂vol.2 参加します

こちらの企画に参加します。 dottoharai.hatenablog.com 3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系) 「理解」とはどの部分の理解を指すのでしょうか。わたしは今のいままで「電車が来る危険」を理解できるかできないか、で考えていた。…

短歌の目10月 投稿します

遅ればせながら、10月も参加します。 よろしくご覧ください。 1. 渋駅前の渋滞緩和を考慮して、まず真っ先にスズカケノキを、 2. 容 気を抜けばこぼれてしまう危うさの容量わずか18リットル 3. テスト 夜ひとり 女系家族の嫁として腹を決めればテストステロ…

一歌談欒Vol.1 参加します

こちらの企画に参加させていただきます。 よろしくお願いいたします。 dottoharai.hatenablog.com おめんとか具体的には日焼け止めへやをでることはなにかつけること(今橋愛) 「オトコっていいよね、朝起きて顔洗えばすぐに出かけられるもの」とは常々思っ…

ドヴォルザーク「新世界より」第4楽章

2016年10月15日(土) 晴れ 今夜満月だった? あれ、こんな時間にスクールバスが? という時間にスクールバスが停まっていて、小学校の側に停まっていて、中からは楽器ケースやアコーディオンやを抱えた小学生が降りてきたからわたしには今日がどういう日な…

衣更え

2016年10月9日(日)朝のうち雨からくもりに変わるも、強風が続き肌寒い天気となりました 芋煮会は中止です 一年前からイモニィイモニ、芋煮セレモニーを楽しみにしていたのに、肝心の天気がこれじゃどうしようもない。この一週間で何度天気予報サイトを巡っ…

短歌の目9月 投稿します

短歌の目、第二期がはじまって嬉しいです。よろしくご覧ください。 題詠5首 1. 星 オールナイト 非行少女はスモッグの上に煌めく星を知ってる 2. 吹隣人は善人ばかり あなたにも山吹色のお菓子をあげる 3. はちみつはちみつのやさしさなんて無関係バウムクー…

iPhoneから送信

「おまえさん、いつまでこの舟に乗る気だい」 この人は顔をあわせるたびにこんなことを言う。 「この舟もすっかり古くなって、足も遅いし、なによりもう誰も乗せらんねくなっちまった。いい加減に次を考えといてくれよ。俺はもう何ヶ月も前からそう言ってん…

そんな夜だった

2016年9月7日(水) おおむね晴れ 夜になり気温が下がる 今日は集まりがあって終わったのは夜九時、そこから20分かけて上司を家まで送った。上司の家は山沿いにあり、街灯のほかには一つ信号があるだけの田んぼ道を緩やかに登っていく。ただでさえ方向感覚が…

色とりどりの風船のかけらが

2016年9月5日(月) 晴れてる! 水道のそばには色とりどりの風船のかけらが散らばっていて、あいつらまた来たんだな、と思った。 夏の始まり、というか夏休みの始まり、ここらの学校が一斉に夏休みに突入したその週末にポケモンゴーがリリースされて、ふだんよ…

なつやすみの宿題 投稿します

なつやすみの宿題は終わってるんだけど家に忘れてきました、などと毎年言ってたような気がする。 こちらの企画に参加します。よろしくご覧ください。 雷が蕾ゆらして百合の香 昨日、煙になったひとたち さっきからきみの頭の上にある柄杓がなにか零していま…

餃子

「母さん、どうしたの?父さんの部屋」 キッチンに降りていくと母は餃子を包んでいるところだった。ボウルの中に挽肉とピーマンが見える。ピーマン入りの餃子は父の好物だった。 「どうってことないわよ。ただなんとなく、父さんがふらっと帰ってくる気がし…

夏のコインランドリーは

2016年8月14日(日)晴れ 陽射しは強いが風が涼しい 今日は娘と一緒に仙台の街をブラブラする予定だったのだけど、娘が風邪をひいてしまったのでわたしはコインランドリーに来ている。夏のコインランドリーは涼しく、なのにいつ来ても陽射しだけ強い。 お盆…

時をかける短歌

婚約のときの約束はたさんとゴキブリを手に封じ込めたり (康 哲虎/NHK短歌 2015年11月号) 2016年8月5日(土)晴れ 水まんじゅうを買う 去年の夏は乳飲み子と二人きりで夫の帰りを待つ生活が続いていて、その日なんとなく付けたテレビではNHK短歌が始まった…

プラスチックの卵焼きはプラスチックのたくあんに酷似していた

2016年7月18日(月) 朝のうち雨のちくもり もうすぐ満月 今日も今日とて不幸騒ぎで、わたしは喪服を着て線香の匂いの中にいながら、今まで世話になったことのある親戚や世話にならなかったけど人生でなにかしら接点のあった親戚のことなど考えていた。線香…

かみ

2016年7月13日(水) 晴れのち雨 このペーパーレスの時代にこんなもん客に送ったって紙代印刷代郵送料がもったいないだけっすよね、同僚の同意を得たわたしは正午になるやいなや千円札を握りしめて“たらこ”に向かった。たらこクリームスープパスタは163円だっ…

ななゆう

2016年7月7日(木) くもり時々雨 七夕 朝にテレビをつけたら「きらきらひかる~ おそらのほしよ~」のんきにきらきら星なんぞ歌っていて、七夕といったら「たなばたさらさら~ のきばにゆれる~」じゃんかよお、と思ったけれども正しくは「笹の葉さらさら」。…

はいおめでとう

2016年7月2日(土) くもり時々雨 晴れ女、仕事する 着いたときには鳥居の下に立つ二人が見えた。ぱらぱらと降っていた雨は上がり、置き土産のような湿度が存在感を増している。あたりまえだけど白無垢は初めてお目にかかったから、最初は別の人かと思ったよ。…

無題

2016年6月30日(木) くもりのち雨 うるおうお肌 赤ちゃんとはいい匂いの生き物だという思い込みから他人の赤ちゃんの頭の匂いを胸いっぱい吸い込んでみたら「くさっ!」ふつうにおっさん臭くてリアクションに困った。どうして、我が娘の頭なんて産まれて間も…