一昨年の暮れにおっさんがくれた手書きのメモは職場に配達される新聞にはさまっていたなにかの広告の裏紙だった。元祖メタルともいえる4組のアーティストからおすすめのタイトルが一つずつ書かれていて、わたしはそれをにぎりしめて、職場から最も遠いゲオに向かった。おっさんのオススメにベストアルバムはなかった。そのころのわたしはテクノからプログレッシブに興味がうつったところで、メタルもその延長線のずっと遠いところに位置する程度とは思っていたから、まあちょっと聴いてみるのもいいもんかなくらいの気持ちでCDをレンタルして、一通り聴いたところで放置していたのだけれども、ある夏の日のドライブ、お気に入りのプレイリストも聴き飽きた、精神の高揚を求めたわたしは、アイアン・メイデンの『The Number Of The Beast』を流した。そして「Hallowed Be Thy Name」に辿りついたのだよ。