忙しい年度末ですが短歌のことを考えていると現実逃避できます。
今月もよろしくご覧ください。
1. 草
みどりみどり ほうれん草を信じれば冬の訛りが巻きこんだ砂
2. あま
あまもりの傘は右眼に春雨をわずか降らせて開花宣言
3. ぼたん
家族四人、ひとつところに集まって四ツ穴ボタンを縫い留めている
4. 鳥
傷ついた鳥をつつんだペンギンのネイルアートの君の浅はか
5. 雷
雷はだれに呼ばれることもなくグラスにすこしの泡を残して
テーマ「捨」
前髪を眉毛で切り揃えるキャラを捨てる途中の君のいらだち
月曜はまた来るのだし缶もきみもそのままにして今日は眠ろう