さよなら小春日和ちゃん

2021年11月8日(月)大晴れ

週明けから天気は崩れるでしょう、と天気予報が言っていたので今日は雨降りかと思っていたが大晴れだった。ここではないもっと都会の、人が多くいる場所の天気予報のようだった。雨のつもりだったから完全に出遅れたが、とりあえず窓を開けて洗濯物を外に干した。先週風邪をひいて二日間学校を休んだ子は元気に登校してゆき、赤は朝寝の真っ最中だ。近所の住民はみな仕事に行った。晴れてよく乾いた日に家にいて洗面台を磨いているのがここらでは自分ひとりだということがとても気持ちよかった。開いた窓から感じる風は春の陽気だった。春、4月15日、朝晩はまだ冷えるものの急に陽射しが暑く感じられていっとき初夏のようになるあのころ。いまがほんとの初夏だったらよかったのに、しかし残念ながら季節はこれから冬至に向かうのだった。ちょうど昨日立冬だったな。

今日みたいな陽気の日、まるで妻子ある男の人と逢っているかのようだ、と風呂を掃除しながら思った。このあとやってくる暗くて長い冬の日々のあいだ彼の気まぐれで何回逢うことができるだろう?、など。常日頃から「恋愛」ジャンルに興味を持つことなく生活しているくせにこんなとき安易に安直な物語を連想してしまいひとり恥ずかしかった。浴室に水をまいて泡を流した。

しかしですよ、こんな初夏みたいな陽気に静かな家の中で自分勝手に掃除洗濯すること、この先の人生の中でもう二度とないかもしれないと思うと切なくなってしまう。もうすぐ冬がきて、外に洗濯物を干せなくなるだろう。春になる前に育休が終わって、平日は会社に行かなければならない。休日は子らももちろん学校が休みだから、家にいるとうるせーし、有給使って平日休んだとしてもこんな満ち足りた気持ちで掃除洗濯することはないだろうなぁ。職場復帰して産休・育休だった日々を思い出すとき、今日の気持ちも忘れないようにしとこうと思った。